馬鹿/ふくだわらまんじゅうろう
 
ほど
どうにかこうにか楽をしよう楽をしようとすればするほど
誰かが、そして何かがもっともっと「私」を愉しませてくれないだろうかと望めば望むほど
自らの創り出した無駄な余剰時間のためにあくせく働き
あの神話的に万能を謳われた紙切れたちに振り回され
自分の残酷な終わらないしりとりをいつまでもいつまでも
そして俺のこの救いの手を振り払おうとしている
じりじりと
この上なく無知で無慈悲で無感覚な自らの手で自らの寿命を絞め上げながら
同じその手で救いの手を振り払おうと
こんな喜劇を
人間より他に誰がなし得ようか!

おまえは馬鹿だ
本物の馬鹿だ
しかしそれが人間としての
本性だ
そんな当たり前のことを言う俺は
最も馬鹿なのだ


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