はなればなれ/坂井ハナ
 
あなたが増えてく胸の内
こころとからだを引き剥がす

偏光 錯覚しにいっちゃって
とりあえずの熱さまし
談合 ないもの掘り起こしまして
後先のないときめき

泥に塗れたあなたは
あたしの創った泥人形
知らず知らずのうちに
不一致は手垢を生み始め
なにをするにも違和感

断片を舐めるこころと
寄る辺の無いからだが
やるせない仲違い

知覚できるのは逃避だけだからなおさら潰れていくのです
先人の詩を遊興に費やしアルコールを友として惰眠で
甚だしく離縁する心身はもうとうに銘々の進路
手をつないで渡らずしてあたしは生きていける気がしない


それでもこころは断片を舐め続けて舌を切り
からだは臥して感情を忘れた

どうか こころとからだを向き合わせる手がかりを
簡単に一方へと倒れるあたしにあなたの肩を 手を 貸して


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