夜の頁/桐谷隼斗
 
込んだ睡魔に 浸かってる
私をさらって 逃げる夜に



こうこつが 白い舌に 伝わって
波と波が 重なり合う夜



とけていく ラジオの声も 音楽も
世界がぼんやり 戻ってく朝



あの雲に 坂道を下る 自転車の
速度で話した 夏の終わり



坂道に 張り付く影に 話してる
「君と僕は 孤独だねとても」



いつもより 静かな街で ひとつだけ
鳴り響くのは 私の心臓


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