夜の頁/
桐谷隼斗
ぽっかりと 口を開いた 巣の中へ
吸い込まれそうな 私の心
風が繰る 世界はたちまち 瞬間で
今日はベトナム 気まぐれの地図
さようなら 煙が風に 溶けていく
愛したあなた 言葉になって
フラスコに 傾く夕日を 閉じ込めて
夜の頁を 赤で染めたい
星空を 掬うスプーンも 掬えない
それは君のこと だった気がする
ぐつぐつと 煮込ん
[
次のページ
]
戻る
編
削
Point
(1)