煩悶、神、あるいは詩の誕生について。/桐谷隼斗
 
明日はきっと、
君の胸に届くだろう。
今日突き刺さった「ことば」も、明日はきっと、
透明な肌の下で脈打つ血になる。
だから、焼き尽くせ、愛。
夏の空に解き放つ、翼。
3日待ったが紙は鳴かない、
噴火を待っている、
私はその時火山であり、
丘の上から聴こえる、
叫びを、
罪を、
精霊の声を、
湛えている、燃えたぎる火口の愛である。

飛翔する色彩に誰が水を与えるか、
それが問題だ。
紙/神の前で、予感(降り注ぐ慈愛)がする。
電車が口を開けて、風を、遠くへさらっていく。
ああ、胎動だ。
蹴るのだ、世界が蹴るのだ。
噴火が始まり3日間吸い込んだ日常を怠惰と共に。
その瞬間私は世界に愛を吐き出す《母》である。
ーーその時、流れる聖なる音楽のことを君は、
「ことば」と言う。
赤子の呻きが蛆虫のように湧き出し、
君と絡みつく植物を丹念に描写する。
季節はいつも、祈りのように未完成だ。

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