怪談の踊り場/あおば
 
                         100816

円高不況の炎天下をマルク掃除する者はいないかとニヒルなプラカードを掲げてゆっくりと右旋回するトンビの群れが急降下するたびに頸をすくめる僕たちの懐具合が嗜好する海老フライのかりかりする歯ごたえと音は貯蓄する個体数を数えあげ、つぎつぎに松明を投下してブラックアウトの夜空に火の粉が舞い散ってほんのりと火災と言う名の赤に染まってゆく精進村の素朴な色彩感覚とやけに暑いと公園のベンチでひと休みする磨り減った10円玉を狙い定めて回収する金属嗜好の意志がリサイクルの声となって生命体の周囲に希薄な見えにくいテリトリーを形成して100円ショップへ
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