女の子のこと/はるな
 
いだ。楽しむことをしっているひとはなおさら。彼女たちはおそろしいことを知っている、女性の弱さや強さを知っていて、うすくてきれいな鎧を必要な数使い分ける。クロゼットには何種類ものそれが入っていて、必要に応じて瞬時に変えることができる。いつも重たい鎧をつける必要がなくなったのだ。
女のひとは、女の子たちをかわいいと思ってる。かわいくて、残酷で、はかりしれなくて、でもいつまでも女の子でいれる女がいないって思ってる。
それから、女のひとっていうのは、世界をつくってる。女の子たちは、関係ないじゃんって言いながらせかいを振り回すけど。

わたしのまわりの女の子たちも、たぶんすぐに女のひとになってしまうんだろうなあと思う。そう思うと、うるさくって、らんぼうで、恥知らずで、自分勝手な女の子たちを、すこしかわいそうだなあと思う。
女のひとのほうが楽しみは多いけど、女の子から女のひとになるときに、持っていけないものがたくさんあるから。でもそれに気付くのは、もう自分は女の子じゃないんだなあと思うときだけだから。


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