女の子のこと/はるな
 
十八、十九の女の子をみていると、不思議なきもちになる。彼女たちは、何もおそれていないように見える。同時に、何もかもがおっくうだという風に見える。その年頃の女の子たちは、たいてい自分が若いということを知らない。年齢というものが、あるいは歳月がどういうものなのかを、まるで気にしていないように見える。もちろんそう見えるだけで、ほんとうは違うのかもしれないけれど。
わたしもかつてはその年齢の女の子だった。胸や腰はいまより薄くて、楽しいことは今より少なくて、でもそのかわり、恐ろしいものごとも、いまよりも少なかった。せかいが美しくて果てしないことにはうすうす感ずいていたけれど、それはあまりにも遠い場所にあっ
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