ブルーガーデン/萩野なつみ
イーゼルに落とした真夏 果たされぬゆえにかがやく約束がある
変わらないものはないから今きみとゆっくり海をなぞる江ノ電
きみがいのるかたわらの空はてしなく果てをいだいてにじむ夕映え
そうやって指をはらはら透かすからこぼれてしまうフェイクガーデン
あやまちはいのりのあかし 素数にはなれないきみと海をみていた
だからゆく稲村の浜 ふたりなら鳴らせたはずの弦の青さは
さよならの行方を追って見上げれば真っ直ぐ海を指す風見鶏
やくそく、と ささやきながら遠ざかる夏のゆくてにきみをわすれる
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