ねこじゃらしの波/A道化
れるねこじゃらしの波を受けて、説明しがたい揺れが心に起こる。ああ、
ああ、Yちゃん、Yちゃん、あなたの家のあったところがねこじゃらしの原っぱになっています、
なんて、もちろん彼女に言うはずもない。Yちゃんはきっと私の意図もどう反応してよいのかもわからずに困惑するだろう。言ったものの私もまた困惑するだろう。だから何?ということが私にもわからないのだ。でも、と思う、私はこのことを書かずにはいられないだろう、それ以外にどうすることもできないのだから、私はこのことを書くだろう、
揺れるねこじゃらしに揺さぶられながら、私はそれを知っていた。
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