夾竹桃が咲く頃/
西天 龍
人影絶え
陽炎立ちゆらぐ道
夾竹桃だけが
問いかけるように咲く
流れる汗拭おうともしない
これからのこと考えると
ただ、ただ胸苦しくて
先を急ぐ
額縁のような夕闇
これからどうすると
問いかけるような紅色の花
眺めながら
満たされた寝息が苛立たしい
自分に涙ぐむ
あの夏、と
思い出せる時は来るのかな
どんなに抱かれても
逃げ水追いかけるようで
満たされぬ心と体
また闇に沈めていく
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