『せんぷうき』/座一
 



ちっとも 眠れやしない熱帯夜
あいつは クーラーのきいた部屋で
今ごろ ぐうすか 寝てるのかしら
ダイコンみたいにぶっとい神経だから
あいつなりの 生き方をしてるのだろう

だけど 一歩 遅れて
去来する草原のざわめき
もうそろそろ キリをつけなきゃ

おやすみなさいと風が言う
涙も かわかしてくれる
おやすみなさいと風が言う
優しく 寝かしつけてくれる


真夏生まれの恋は
時に 情熱的に燃えさかるけど
思いが冷めてしまえば 
お互いの体温さえも 暑苦しいいきぐるしい

気付いてたんでしょ
だから勝手にするんでしょ
もうそろそろ さよなら
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