いつかデブリ/within
私のたよりない内臓は世間を知らない
私は私じゃない、他人だ
孤立電子対のように
掴めない雲のような存在の私
あなたの代わり、代わりなんていないのよ
いなかった、あなたは唯一、やっとわかったのよ
あなたは唯一、代わりなんていないのよ
交わらず折れ曲がる階を
何層にもわたって歩き続ける
時折、重厚な金属の建築物のような姿を現すが
それにはまるで質量がない
巨大な筒状の用水路を抜けると
野原がひらけ
草原が雨を纏っていた
されこうべがピアノを弾き始めると
音階が歌い始めた
「出ますわよ
出ますわよ
あなたの管から出ますわよ」
白身の向こう
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