夏の総力特集 ・ 「陰毛を考える」 最終回/salco
トリックみたいに燈明だけではいけないのかと。
あれこそは命の揺らぎ、魂の追悼そのものですよ。消臭技術や芳香剤が発達した現代、あの抹香臭さはもう要らんでしょう。
どうしても何か燃やしたいのなら、毛にして頂きたい。ケラチンという蛋白質の燃焼臭は痛ましいリアリティーがあります。
いずれ死別の悲哀は心に負い切れるものではないにせよ、どうせ嘆くなら一時でも丸ごと引き受けたいものです。ベナレスで
家族を火葬に付すインド人のように」
岩隈「なるほど。ところで河豚里さんも新曲をリリースなさったそうですね」
河豚里「はい。“エスト・エス・インモラル、セニョリータ”、5月1日発売です。昨年の“エクスキュゼ
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