海のこと/はるな
 
ァミリーレストランには17か18くらいのグループが水着に大きなタオルを巻いただけでおしゃべりをしていて。ざらざらに褪色したかみの毛が濡れたままからまって。
コーヒーを一杯ずつ飲んだ。窓のそとははれわたっていて、先ほどの若い子たちが出ていくのが見える。三台のバイクに二人ずつ繋がって、たばこをくわえて、お互いに火をつけてあげる。それを窓の向こうに見ながら、わたしと彼女たちとは全然ちがう場所にいるなと思った。
窓の向こうがあかるすぎて、あまりにもすべてと隔てられすぎていた。わたしの目の前には恋人がいて、わたしを守ってくれている。わたしは、海辺で肌をさらして誰かを待たなくてもいいのだ。自分を必要として
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