曖昧な、/錯春
いつも息継ぎを意識をして
まったく君は注意深いな
それを芸術なぞとほざいてみる
嘯いてみる
息巻いて蟹のように
音を荒げる横顔を流し見、
「ラフロイグ下さい」
なんて、味もわかりゃしないのに
女の癖に飲むなよ蒸留酒を
味も匂いも歴史も知らないくせに、と
わからないから飲んでると答えたところで
それを粋だと思ってると思ってると思ってるんだろう?
蟹のように繰り返すばかりで
まったくお話にならない
まったく
「けなされるのも才能だからさ」
と、言い訳じみた台詞だった
白い背中は温度を持って
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)