死神博士のお化け屋敷/atsuchan69
 
ついて・・・・」
やがて死神博士は人心地ついて口元をハンカチで拭うと舌も滑らかに話しはじめた。
「けして誰もが語ろうとしないない、封印されてしまった時代がある・・・・それは氷河期だ。その頃、人類はすでに食人を行っていた。これは個体群生態学的にも非常に興味深い。その末裔である我々は、今も社会という檻に閉じ込められた獣であるのだが、獣本来はごくあたりまえに共食いを行っている。自然界では至極当然な摂食行為なのじゃが。うん、しかし我々の世界はこれを全く許さない。だとしても、天然の野獣である肉体にとって禁欲的かつ道徳的であること。それは陸の生き物が水の中でもがくように、酷く息苦しいことではないかね? な
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