砂糖菓子少女/梨玖
と
最初に抱きしめられた
あの白衣のあたたかい感触を
忘れられないのは
恋をしているからだと
貴方は
如何して気付くだろうか
私を愛して、と
中から聞こえた
私を赦して、と
中から聞こえた
こんなにも愛欲に溺れた私を
受け止めてくれるのは貴方だけだと
信じている
助けて欲しいと願うたびに
抱きしめて欲しいと願うたびに
貴方は私以外の女を見つける
貴方は私以外の女を作る
私を愛して、と
中から聞こえた
欲望の言葉は止めることを知らず
産声をあげる
目から流れる
甘い水飴を床に落として
退廃していく
この白い身体を残して
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