或る嘘つき女の生涯/あおば
100718
地デジ対策が済んだら
地震対策は不要と
道行く人に語りかけた
どうしてと怪訝な顔をする人は少なくて
殆どの人は一舜顔をほころばせる
笑顔を見せるのはだいじな人にだけと決めている人も
嬉しいときはなかなか隠せないようで
チラリと本音を見せてしまう
明日は横町を抜けて隣町に行く
あさっては
自転車で県庁所在地の市に向かう
一週間後には
大陸に渡り
一ヶ月後には横断して
三ヶ月後には
再び我が家に戻っている
その頃には
新しい家が建っていて
庭には錦鯉の泳ぐ池が拡がって
通り行く人を楽しませる
一年後には
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)