失恋に溺れて/チアーヌ
 
感心してしまった。

 わたしは会社を辞めた。引き止められたけれど、留まることはできなかった。
 そして、俊彦と三ヶ月ほどを過ごした部屋を出るために引っ越しをした。よく考えたらたった三ヶ月間のできごとなのだった。
 会社を辞めてしまったら、もう都心に住む必要は無かった。
 そしてわたしは、今までと全然違う私鉄沿線の、しかもその駅からさえかなり遠い、世田谷の奥のアパートに決めたのだった。
 恵比寿のマンションで暮らしていた頃とは全く違う環境で暮らすことになって、わたしは満足だった。
 わたしは毎日、どこへいくということもなく、近所だけですべての用事を済ませ、散歩などしながら日々を送って
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