あいつが捕まえにくる/涙(ルイ)
れば暴力をふるうようになっていました
まるでそれは あいつが生き写しにでもなったかのようでした
私15歳 高校受験の真っ只中の出来事でした
かあさんは疲れきってしまっていました
いまでいうところの「うつ病」にかかってしまったのです
先のことを考えると夜も眠れないと云っては
かかりつけの病院から強い睡眠薬をもらっていました
私の役目は かあさんの愚痴を聞くことでした
子供のころの話から 結婚してからされてきた仕打ち
「なんで私ばっかりこんな目に遭わなきゃならないの」が口癖でした
私はその役を 自ら進んで買ってでたのです
それは 私はかあさんの敵ではないということ
味方
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