七夕祭/明楽
 

「織姫、彦星」

一、

年に一度の逢瀬の日だと地上が先に盛り上がってしまい、天上の二人は今ひとつ盛り上がれない。


二、

毎年「あの時の子よ」と織姫は子供を連れて来るが、どの子も誕生月が微妙に違う。


三、

大勢の好奇の視線に晒されるのが嫌で、時折織姫は彦星との逢瀬を拒む。


四、

毎年、織姫は会えなかった一年間に彦星が浮気をしていたのではないかと疑い、彦星は一晩中かかって弁明している。


五、

地上はあんなに様変わりしたのに自分たちはいまだに機織と牛追いだねと、近頃は二人で溜め息ばかり吐いている。


六、

天帝が
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