かなしい17歳/有村
教室の窓から
白い校舎の断片がつくりものみたいにひかる
木漏れ日
彼女のくびすじにしたたる汗
蒸し暑い体育館に
むわん
と広がるみんなのにおい
時々降る雨
私はいつでもいらいらしていた
否定できないものなんてなんにもなかった
排気口から吐き出される
同級生
下品なはやり言葉
わたしはいつでも不安だった
どうでもいいものに引きずられて
別人のわたしが
強い言葉でわたしをせめて
わたしは
なきながら
リボンをほどくの
スカートのひだも
ワイシャツの襟も
なんだかいつも不格好で
恥ずかしくって
道も満足に歩めない
夏風にのって踊る髪が
リボンのない私の髪が
なんだかすこし
大人な気がした
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