girl friend/天野茂典
もう明かりがついて
黄昏の街を
斜めにカーブして
(本も読めない
バスは走った
ファースト・フードのレストランや蕎麦屋
胎は空いていないが
もっと空腹な何か
影絵のように纏ってくる
(甲斐路のように
鉋のような赤信号
の連絡網
鯛のような緑の信号機
はまるで水族館の群れのよう
読めないよう
書けないよう
陥没したままの
(縞馬
バス停には多くの女子大生
が傘のなかで
反復横跳びに夢中だ
夢はみない
駐輪場の蛍光灯は
自転車の列を
(オブジェのように展示している
着信履歴はだれもが
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