3つの選択肢しか神は与えない/こめ
奇跡は遠くなる
この殺伐とした風景のなか
干からびたカエルは何を思うか
ヒロインを決める為に行われたバトルロワイヤルは
誰独りとして生き残ることができなかったそうだ
恋愛がしたいそんなことを考えては
現実を直視して嘆く
そっちどっちあっちこっち
左右上下に動かされる僕は
値引きコーナーにおかれている
超合金のロボットみたいだ
ちょっと前までは
ショウウィンドウから
子供が僕を欲しいと母親に泣きすがって要るのを
見下していたが
今は狭い角から見える景色を眺めることしかできない
子供ほど残虐な物はいない
興味が薄めればすぐに新しいオモチャに乗り換える
そうして僕は埃を被り押し入れの奥底に収容される
そうなったもの達が歩む道は
残りは捨てるか売るか譲るかの
3つの選択肢しか神は与えない
まるで人生をかけたジャンケンのようだ
そうぼやき相手がどれを出すのか考えて
僕は最初はグーと呟いたのであった
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