煙/1486 106
別にこれと言って不満などないさと
本性をポケットに突っ込んで歩いてく
巡り巡る日々が負担となって
逃げ腰の僕に重たくのしかかる
伏せ字で書いたヘルプミー
気付かれる間もなく日が暮れる
涙は見せずにいたかった
辛くてもめげずにいたかった
そんな思いだけが燃え上がって
すべてが真っさらな灰になったよ
ドブネズミの群れが交差点を埋め尽くす
塗りたくる表情はほとんど同じ
自ら値踏みして価格を下げた
決意とか意志を安売りしている
いつの間にか丸くなった背筋
世界を見る目が少し変わった
夢を捨てずに生きたかった
情熱を消さずに生きたかった
そんな思いだけが熱くなって
あっと言う間に燃え尽きてしまったよ
青空を覆い隠す煙
今もどこかで何かが起こってる
誰にも負けずにいたかった
ずっと諦めずにいたかった
そんな思いだけが燃え上がって
心がわずかに熱を帯びてきたよ
誰にも負けずにいたかった
ずっと諦めずにいたかった
そんな思いだけが燻り続けて
また新しい火種が生まれたよ
戻る 編 削 Point(2)