窓際/はるな
 
えると、わたしたちはぞっとして、言葉をなくした。そして、しばらくたって、「でもなにもわかってないよね」と言って、チャイムを聞くのだった。

彼女とわたしは、クラスメイトだったことはいちどもない。
だから、彼女がクラスのなかでどのように過ごしていたのかはよくしらない。それでも、わたしのそれよりは随分まともだったはずだ。
わたしはいじめを受けてはいなかった。大小のかげ口はあったけれど、そんなのわたしに限ったことではない。成績がひどく良かったわけでも、悪かったわけでもない。何もなかった。わたしが、わたしのクラスを拒絶するさしあたっての理由は、いつでもとくにみつからなかった。それがますますわたしを
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