窓際/はるな
 
、わたしと彼女のあいだでの最高の(最低の?)罵倒だった。
「なにもわかってない」。
わたしたちはいつも、「なにか」を「わかられ」たくなんてなかったのに。

学校のなかで、わたしたちは、何となくいつも居場所がなかった。
教室は、清潔だったけれど暗かったし、保健室は、清潔すぎるし明るすぎた。お互い部活には所属していなかったので行くべき部室もなかったし、新設されたカウンセリングルームはなんだか甘いにおいがしていやだった。上履きから、緑色のぺっかりしたスリッパに履き替えなければいけないのも、カウンセリングルームの気に食わない点のひとつだった。
学校のなかでだけではなくて、街にも、家にも、なんと
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