僕の好きな花/くなきみ
 
僕の好きだった花と
同じ色をしていたから
形も大きさも香りも違うのに
僕は君をあの花だと
勘違いしてしまったんだ
僕は君に水をやって
新しい植木鉢に植え替えて
光に当ててやった
もっと大きく育つように
あの花をもう一度咲かせるように
肥やしを与えてみたりもした
君のことをいつまでも
あの花だと思っていたんだ
君が一向に
新しい蕾を作らなくても
僕は君をあの花だと
信じて疑わなかった
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