浸食系女子/梨玖
 
私は血を流す
彼女はそれに指を絡める

水膜を少し張った彼女の目から
ひとつになりたい、って感情が見え隠れする



「“愛すなら血の一滴まで”
って歌詞があったから、」



彼女の理由はそれらしい
以降、私は幾度となく
彼女のために体液を差し出している

貴方が好きなのは私なの
それとも私の体なの

私は血を流す
彼女はそれに舌を絡める



「いつまで?」
「最後まで」
「死んじゃうよ」
「ころして、あげるよ」


私は血を流す
彼女はそれに口づけをする

赤い血紅に色気を感じた
このまま唇から浸食しても何も変わらないのかな

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