あたしのイチゴ/くなきみ
あたしが最後まで残しておいた
ショートケーキのイチゴ
最後に食べるのを楽しみにしていた
あたしの可愛いイチゴ
それをいとも簡単に食べられてしまった
あたしの隙を突いて
イチゴはあたしじゃない口の中へ
入っていった
あたしのイチゴだったはずなのに
あたしじゃない他人の口の中で
甘酸っぱいあの味を出しているんだ
あなたはあたし以外の口の中でも
そんな味を出してしまうの?
あたしだけにその味を楽しませて
くれるんじゃなかったの?
あたしだけのイチゴだったはずなのに
あたしは酷くイチゴを恨んだ
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