alt/あまね
 
朝の訪れるたび
切り離されたからだを思う 
昨日との交信が途絶えて 
寄る辺ない 
なまぬるい風に 
輪郭を確かめる
季節がしみこんでくるのと 
季節に染み出していくのが似ている 
どちらにしろ 
僕は曖昧で 
朦朧
何もわからないよ 
二人の子どもがぼくの中で戦争して
憎むことと愛することを取り違えている
つながっているかどうか 
気づく場合と気づかない場合との 
違いが
それほど大切かい 
右目からの涙と左目からの涙は 
成分が違うんだってね 
悪い夢なのかよい夢なのか
それとも決して夢ではないのか 
大切なところが 
いつでも
明白でない 
空っぽであることも充たされていることも 
同じ 
季節の前に力を亡くしてしまう
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