【句評】 √/石畑由紀子/古月
 
結びつけて読んだが、この読み筋を確保したままで、それぞれを独立した句として読むことも、もちろん可能である。
「空に√を〜」の句に関してはむしろ、この句だけで読んだほうが味わいは深いだろう。具体的な物語を持たないことで句は逆に奥行きを増し、読み手は自分の物語を句の中に投影できる。
数学記号を用いるという取り合わせの面白さで終わらせることなく、それが世界観を深く掘り下げているところに、この句の本当の良さがある。
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