湯楽の里にて /
服部 剛
仕事に疲れた重い体を
露天風呂に、沈めていた。
天使みたいな女の子が
裸のまんま駆けて来て
けっつまづいて、膝を押えて
半べそ、かいた
若い父さんがやって来て
逞しい両腕で
小さい天使を包みこみ
赤く腫れた膝小僧に、キスをした
今頃、隣の女湯で
背中を流している君の
天使の頃を、思い浮かべる僕は
露天風呂に沈みながら
畳んだタオルを頭にのせて
少々のぼせておりました・・・
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