ピチカカ反応/木屋 亞万
の夜以外でも、月光に当たるとぼんやりとした青い光を放つので、男はそのピチカカ鳥の光を見せ物にして一儲することができました。鳥を見せ物にした収入は、それまで飲んでいたものよりも数段よい酒を飲むことができるくらいの儲けになり、男は鳥を見せること以外の仕事はしなくなってしまいました。ところが、新月から満月までは見せ物としてお金儲けができるピチカカ鳥ですが、満月から次の新月までの間はずっと卵のままなのです。ピチカカ鳥が卵になると、客はほとんど寄り付きません。男が一生懸命その鳥について説明をしても肝心の鳥が卵の状態では客も金を払う前に逃げてしまいます。男はピチカカ鳥が卵のときはすっかり酒に溺れるようになって
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