ピチカカ反応/木屋 亞万
 
売り飛ばしていたそうです。ところが本物のピチカカ鳥は死んでしまうと、空気の抜けたゴムの風船のように皮膚がくっついてしまい、剥製にはできません。餌を食べないため肉がなく、皮も薄く羽根はとても柔らかいので、無理な力を加えると羽根はすぐに抜け落ちてしまい、くしゃくしゃになってしまうのです。そして不思議なことに死んだピチカカ鳥には骨が見当たらないのです。しかし、この説明の方が嘘だと思われてしまっているようで、ピチカカ鳥の剥製や骨格標本は今も高値で取引されています。
ところで、なぜこの鳥をピチカカ鳥と言うと思いますか。その由来のお話をしてあげましょう。
昔、家へ帰ろうと森を歩いていた樵が、木々の闇の中で
[次のページ]
戻る   Point(5)