ピチカカ反応/木屋 亞万
ったのです。そして、深い息をひとつついて、洞穴の中を覗くとちょうど男たちの後ろから太陽の光が洞穴に差し込んできました。光に照らされた穴の中で、ピチカカ鳥はぱんぱんに膨れ上がっていました。最初は大人の頭くらいの大きさだったピチカカ鳥が、相撲取りくらいの大きさに膨れていたのです。その薄い皮膚は枯れた大地のように深くひび割れ、黒かった色は痛々しい桃色になっていました。体が膨らむたびに、皮膚のひびはピチッと音を立て、その嘴は苦しそうにカカッと鳴くのです。そのピチッという音も、カカと鳴く声ももう限界に近いようでした。「カカッ!!」と鳴く声はもはや断末魔の叫びです。
太陽の陽射しが完全にピチカカ鳥を照らし
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