ピチカカ反応/木屋 亞万
ってしまいました。そのうち、ピチカカ鳥が生きている間に稼いだ金を使い尽くして、卵が孵化するのをイライラしながら待つということが多くなってきました。そして、ついに彼は満月の晩にピチカカ鳥を洞穴に閉じ込めることにしたのです。彼は満月の光にさえ当てなければ、ピチカカ鳥はずっと生き続けるのではないかと考えました。もしずっと生きていれば儲けは単純に倍になります。いいえ、もしかすると倍以上になるかもしれないと男は思っていました。いつも青く光る鳥の評判が広まった頃に、鳥は卵になってしまい、増えかけた客も結局は元の量に減ってしまい、歯がゆい思いをしたことは一度や二度ではなかったからです。もし鳥が生き続ければ、客は
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