S・P/示唆ウゲツ
君の声が遠くなっていく
チョコレート色の乾いた土を踏んで 怠惰の流れに乗った
宇宙服を着た看護婦も鉄のヨロイを着込んだ犬も居た
僕は旅に出るのだ
強く思い込んでから吐き気がするほど歩く
つま先に触れる大地はどんどん、どんどん色を変えながら
琥珀のガーゼに包まれていた
眠れない夜も眠らない夜も越えて 有刺鉄線の向こう側
握手をしながら走るあのひとは きがくるってるんだ
誰も居ないところで
誰も居ないところで
きっと僕だけは生まれ変わってしまうんだ
眩しくて見ていられらないコードが
ぐにゃぐにゃしたバケモノみたいできれい
ああ、思ってた以上に何もないや
すてきなくらい 日の出町に似ていて
やっぱり吐き気がする
泥がはねないように気をつけながら また自分の暗いところへ戻る
抜け出せなくて 抜け出すのも怖くて
虹色のこじゃれた帽子をひらひらさせたおじいさんが言っていた
聞けよ、ロックを、
あんなもんはクソの紙クズで あんなもんはクソのファンタジィだ
君の声が遠くなっていく
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