深海/
桐谷隼斗
溺れ死んだ、青
ゆらめく光が
かすかにぬめる皮膜を
捉える
窒息
沈黙
弔いの、波動
闇の中で膨張していく
朝は
海藻に慰められた
腐敗した、輪郭
沈澱していく言葉
細かすぎて
砂の中に呑まれた
孤独の底
胎児の呻き
闇は永遠に
苦痛を孕んでいる
記憶のせいで
苦しい
忘れられなくて
悲しい
今日も水面まで
届かない、泡
血ももはや
冷え切った憎悪
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