紫陽花のように/中原 那由多
 
月が雲に埋もれてしまうように
儚い想いを隠したくない

宛先のない手紙のように
本当のことを伝えられない


溜め息をついては
言葉を摘んで誰に渡す?

記憶を信じられなくて
先入観から逃げられなくて
少数派意見を持ちつつも
尊重されずに死んでゆく


衝動的に放つことが出来るなら
今、ここにはいないかもしれない

夢と別れを交わそうか
雨に打たれてみようか


窓の外は戸惑いの途中


2009/07/02



戻る   Point(4)