蒼く/ゆうさく
毎日、空に今日も殺されることを皆が受け入れている
それは少年のころに知る事実で、直に忘れるようにできている
それが哀しくて、
世のこどもはよく泣く
夜を知らない日もあった
たしかに暗くはなるけれど
散らばり瞬く星を指さして、それを夜だとは決めつけられなかった
プラネタリウムは、夏の虚像だった
ぽたぽた、白い昼が垂れて、どこまでもかすんでゆく陽炎に、ぼくのあとをおう
そんなあそびが、かみさまにぬすまれたけれど、教科書にひた隠し
ゆるくのびる現在が、過ぎる、裏切る、そして成長する、という人間の構造は酷で、ぼくはそれがわかった日には夕焼けを泳ぐしかなかった
人はいつか必ずプールにもぐる
だれも、ふれない
どうしようもない、なにかに気付く
だれもが沈み、たゆたう
浮いて、ゆれる
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