手紙/月乃助
 
手にしていると想ったり
幸せが待っているとばかり、

海の広さ
その水の深さも 時の長さも
あなたを忘れさせてくれはしない
ここの暮らしなど
愚かなことしか思い付かなくて

指に絡まるかたい髪に
なんども触れた 夜
それを今頃 思い出すなんてね
暗闇があんなにも安らかな場所だと教えてもらった

幸せとふしあわせの間が、
手紙を書かせたのでしょう
それなのに、こんなにも懐かしい
心の隅に隠れている
あなたに共鳴するのですね

けれども、もう戻れない 永遠に
もとめるものは、
ここにはないのです
そう、返事を書きましょうか、

しっかりと
生きて いかなければ
いけないのですから






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