手紙/月乃助
海の向こうから来た手紙
躊躇わない見慣れた文字が、
心に触れるのです
確かに
生きる意味があるように
昔を思い出す、力が湧いてくるような
元気でいらっしゃるのですね
少し怒りっぽい
饒舌な文は、あの頃のまま
白い便箋の中で右肩上がりに踊っていました
さりげない想いやりさえ
きっと、私に向けた笑顔だって、
変わることもない
背のびをした私の道しるべだった
一緒にいるだけで、涙が流れました
いつも、どこかにある答えを探しながら
二人だったら見つけられると信じていた頃
いつまでも一緒にいようと
子どものように会いたがった
とめられなかった
未来を、手に
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