Caps Lock/天野茂典
 
 

はげしくなぐりつける雨に
傘はきかない ぼくは焔のようにずぶ濡れなのだ
ふかく凹んだ駐車所はちゃいろいプールになっている
濁流の流れる先はほそいパイプになって
さらにつまるばかりなのだ
京王線も草の凹みで外がみえない
明るい車内の宙つり広告眺めるだけだ
電車の内臓照らしながら準急ラインは駅をめざす
たった3分の乗車時間急いでおりて
エスカレーターにのる
ピンク・フロイドの「呼べよ風、ふけよ嵐」なのだ
あちこちの水の流れに靴が濡れ靴下まで染みてくるのだ
ポロのジャケットもジーパンももうぐしょ濡れで
まるであわれな濡れ鼠だ
それでもマックによってゆく
アイスコー
[次のページ]
戻る   Point(3)