誠実じゃない/ふくだわらまんじゅうろう
 
誠実じゃない
日が沈む
誠実じゃない
一日が終わる
誠実じゃない僕の
誠実じゃない一日が
あの山の向こうに沈んでゆく

貴女を慰めるよりはむしろ
傷つける途を選択する
そうなるとわかっていて
貴女への想いを告白してしまう

たとえ僕がやらなくても
他の誰かがやるんだ
それももっとひどいやり方で
だからといってそんなこと言い訳になんかならない
なんと言っても僕は
誠実じゃないのだから

ジミ
あんたのギターの歪んだ音だけが
僕の最期の子守唄

誠実じゃない
日が沈む
誠実じゃない
一日が終わる
誠実じゃない僕の
誠実じゃない一日が終わって
あの山の向こうから
誠実じゃない月が
蒼い顔して昇ってくる


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