火の星をもうひとつ/ふくだわらまんじゅうろう
だいじょうぶ
人類は
確実に
滅びへの途を辿っています
性欲を保ったままの鬱が押し寄せ
眩暈となって
この惑星を自転させている
それから長い長い雨が降った
もうすぐ訪れる不安の氷河を予言するように
誰もが知っている確かな方法で
ゆっくりと
確実に
首を絞めるように
そして偽善者は脅迫した
義人がささやかな抵抗を示した
そんなところをいくら擦っても何も出ないというのに
僕はいつまでも馬鹿のように
覚えたての悪戯を続ける
そして悪魔が泣いて懇願する
あの二つの塔を倒したのは間違いの間違いだったので
どうかその手を緩めないでください、と
火の星
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