ピティちゃん/salco
 
びっしょりだ。愛されているのは自分ではないが、こうした形で必
要とされる仕事にやり甲斐を感じている。結局、天職なのかな、とも思う

今日もそんなお客さん達の中に一組の家族がいる。3歳ぐらいの男の子を
肩車した父親と小学校中学年ほどのお姉ちゃん、写真立てを抱いている母
親と。
男の子以外は心から楽しんではいない。張りつめた顔のお姉ちゃんにまず
挨拶する。
こんにちは、よく来てくれたのね。すっごくうれしいな。
ボクもこんにちは、肩車いいなあ。とっても高いわね。
ピティもみんなをだいだいだい好き!

ピティちゃんは母親から手渡された写真立てを両手で受けて、その女の子
にもこん
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