ブリングル御田詩集『次 曲がります』/渡 ひろこ
フラクタルなイメージの作品ばかりではない。
身をよじり/絞るように/わたしは子供を産み直す/ぎこちない背骨は固く/わたしの産道にぎちぎちとひっかかり/
固まった骨達が乾いた音をたてて/折れていくのがわかる//ぱきん/ぱこん/こきん/きりん/(「さんどう」)
この詩集のもう一つの特徴でもあるオノマトペが、効果音として響く。
震撼とさせる迫力があるが、「子供」を「言葉」に置き換えると、
おそらく言葉を推敲している様を描いたのではないだろうか。
五感に響く謂わばブリングルワールドの震源地を見た気がした。
詩集タイトルは作品にはない。正に作品ごとにどう曲がっていくのか、
新感覚を期待して読み進める新進気鋭の第一詩集。ぜひご一読をお勧めする。
『詩と思想』6月号掲載
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