待つということ/小川麻由美
大きな病院へ行く
今では車ですいすい行く
たくさんの科があるけど
私は間違えずに
いつもと同じ科に
しかるべき物を提出する
嗚呼待つのは嫌だ
いくら壁に素敵な絵が飾ってあっても
いくら壁にテレビが備え付けてあっても
待つのは嫌だ
なぜこんなに待つのが嫌なのか
自分に問い正したところで
明確な考えなど浮かんで来ない
気を紛らわすものを探すが
それにも限界がある
ふいに自分の名前が呼ばれ
診察室に向かう
嗚呼これだこの不安感
この不安感を味わうのが嫌で
待つのが嫌だと
私は感じてしまうのか
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